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マクロ経済-経済成長 Economic Growth

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バンコクのスカイトレイン
バンコクのスカイトレイン
経済成長とは、現在の一人当たり消費より将来の一人当たり消費が多いことです。将来の一人当たり所得を増やすためには、現在消費可能な資源の中から何がしかを貯蓄し投資に回す必要があります。経済成長の本質とは、現在の消費の幾分かをあきらめて投資に回すことにより、将来の消費を増やすことにあります。

多くの発展途上国においては、そもそも平均生活水準が低いので、現在の消費を投資に回すことが困難です。そのような場合でも、借入や援助によって投資に回すことのできる資源が増加すれば、経済成長はより容易になります。

経済成長に関するこのような見方は、経済成長理論によって展開されてきました。1980年代まで発展途上国の経済開発のために主として参照されてきたのは新古典派経済成長理論とよばれるもので、その代表はFrank P. RamseyやRobert M. Solowの論文に依っています。新古典派経済成長理論の開発戦略への含意は消極的なものでした。というのは、同理論に依れば、長期の経済成長率は政府の採用する政策によって影響を受けない、と結論づけられていたからです。

1980年代中葉からPaul M. RomerやRobert E. Lucas, Jr.らが新しい経済成長理論を発表し始め、それらは内生経済成長理論と呼ばれました。この経済成長理論は、それまで狭く解釈されていた「資本」の概念を拡張することを一つの特徴としていました。中でも特に重視された「資本」は知識でした。知識の中には、経済活動によって生み出され、社会に蓄積され、そして新たな知識を生み出すタイプのものがあります。このような新しい「資本」概念としての知識の生産と普及、それらを促進する制度やメカニズムが、現在の大きな研究課題の一つと見なされています。
経済成長を発展途上国の開発に結びつけるためにもう一つ注目されているのは、どのようにしたら経済成長の成果を、有効にかつ速やかに貧困削減に結びつけられるか、という問題です。世界の国々をならしてみれば、また非常に長い時間が経ったあとで考えれば、経済成長が貧困削減につながることは当然です。しかし、経済成長が起こっているまさにその時に、同時に貧困削減が進んでいるとは限らないのも事実です。このような問題意識から、貧困削減をより直接的に押し進める経済成長がpro-poor growthと呼ばれ、それを実現する政策や制度が問われています。具体的には、所得分配を悪化させずに経済成長を実現することが一つの大きな課題となっています。どのようにして貧困層の雇用創出を図るかどのような開発戦略がpro-poor growthを実現するか、これらの問題に取り組み、pro-poor growthを実現する必要があります。
山形 辰史

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